火の鳥 0528

この作品の初稿を執筆したのは2010年で、当時の編集者はとても気に入ってくれていたのですが、結局出版直前で話が頓挫しました。けれど、私の全著作を電子書籍化したい、と申し出てくれたアドレナライズさんに「こんな原稿もあります」とお見せしたところ「ぜひ、出版しましょう!」と言って下さり、ついに、陽の目を見るに至りました。生きたいと願えば、永遠に生きることが可能になった近未来。社会は、世界は、地球は、どう変化推移して行くのかを「神憑り」で描いた、ある種の思考実験小説です。現代医学がいずれ辿り着くであろう(辿り着くかも知れない)究極のゴール「不老不死」。そのゴールの先に待つのは天国か、地獄か。皆さんは、どう思われますか?

『火の鳥 0528』 読者レビュー

★自分はこの物語を読んで、「死のない世界」に対して、否定的な気持ちをもつことができました。その気持ちは、今自分が生きている「死のある世界」の肯定に繋がり、「この世界で生きていこう」というモチベーションが生まれました。 これ、今一番欲しかったものでもあります。(20代/男性)

★新薬 火の鳥。すごい薬ですね。こんな薬が世の中にあったら、世界はどうなるんだろう・・・ そう思って読み続けていくと、医者は仕事がなくなり、愛を歌えなくなったミュージシャンがいたり、永遠の愛を誓わず、結婚しない人が増えるなど、身近にあることで表現されていて、とてもわかりやすかったです。(30代/女性)

★ジョンの煮え切らなさは、そのまま著者の迷いだと感じた。出世間の真理と世間の生活を如何にして一致させるか。そう簡単には明快な答えは出ないと思う。もし出せたら、人類総釈尊だ。そんな世が良いのか悪いのか。来るのか来ないのか。それは分からないが、釈尊の境地を志向しながら、社会的によき夫、よき父であろうともする中途半端な私を救ってくれる、まさに万能薬「火の鳥」のような一冊になることを願って……。そうしたら、村上春樹も霞む現代人のバイブルになるのではないかと思い、期待しているのである。(20代/男性)

★正直、何を伝えたいのかな? と思いました。難しい言葉がたくさん並び、かっこよく未来を描いている感はありますが、結局のところ何を伝えたい内容の本なんだろう? と頭の悪い私には、申し訳ないですがさっぱり理解が出来なかったです。(40代/女性)

★60歳で老化の進行がストップするなら密かに求めたいと思うほど興味津々!! 死なないとなると、ちょっと考えてしまう・・・生きるとは何ぞや? 人間の真理を捕らえた傑作!! 人間ドラマなんて言葉さえいらない。 神様は生あるものに永遠の命をあたえていない意義がこの本を読んで解かった気がする!(60代/女性)

★1冊の本との出会いが、これからの人生で少なからず何かを思い起こさせるでしょう。 そんな1冊に出会えたことに心から感謝します。(40代/男性)

★何十年後には本当にこんな世の中になっているかも? と思いながら、ドキドキしながら最後まで一気に読みました。人を愛する気持ち、命の尊さ、永遠に生きていたいと願う気持ち、永遠に生きて欲しいと願う気持ち、幸せって何だろう。。。愛って何? この本を読んで改めてたくさんの事を考えさせられました。(30代/女性)

★人類が古来より望んで、未だ手に入らない『不老不死』。そのテーマをここまで掘り下げて、かつこんな視点から見るって事を教えてもらえた。先ずそう感じました。何も考えずに『不老不死』をとらえると素晴らしい夢で終わります。しかしながら『死』がないと『生』の価値も変わり、それに関係している全ての価値が変わってきます。そういう事を考えた事も無かったので、凄く新鮮で面白かったです。(30代/女性)

★この不老不死の薬って欲しいですかって、時代ごとにアンケートしていったら、何十年か前に比べて、格段に今の時代のほうが、いらない人が多いような気がする。なんとなくですけど、そこに時代の背景が写し出されるような。。。(30代/女性)

★『火の鳥』の出現や「シュレック」の出現によって、世界のシステムが基本的に転換してしまうという発想そのものが、実に新鮮で、SF小説風のおとぎ話といった感じでした。一つ一つのテーマが、自己運動のように、さらに発展していきそうな予感さえある壮大さも含まれていて、興味大です。ともかく新鮮な発想で、世界を見なおした思いです。(60代/男性)

★この小説は、とてつもない近未来のSF的フィクションなのですが、中心にあるテーマは「死」をどう捉えるかという、古典的、哲学的、そして実は我々が直面している日常的なテーマなんですよね。「不老不死」を通して、日常の延長線上にある「死」の意味を問う。この小説が、「死」が隠蔽されている日本に投下される、そんな爆弾になれば良いと期待しています。(40代/男性)

★人は往々にして、死に直面して初めて生の何たるかに気づく。死を忌避し続けることは、生そのものを暗ましてしまう。この物語は、不死を突きつけることによって、自分自身の「生」と「死」に直面することを自然に促してくれる極上の作品だ。(50代/男性)

★私は目の前に「火の鳥」があったら、ギリギリまで悩むけど、6:4で飲んでしまうと思います。(40代/男性)

★私は、この主人公のような男の人がもし存在していたら、背中をバッチーンと叩きたくなってしまうタイプなので、どうも共感できないのです。つべこべ考えずに、健康なのだったらハンバーガー屋でもなんでもいいから、汗水たらして働いてみたらいいのだと。その上で、色々考えたり悩んだりすればよいのではないのかと。(女性/毎日新聞記者)

★何時だったか思い出せないが、文学者である「安藤次男」から言われたことがある。「生きるという事は、常に何がしかの『死の部分』を含んでいると心得なさい」と……。この物語を読んで、その言葉を何度も鮮明に思い出した。(60代/男性)

★すごすぎて、感想が言えません。ごめんなさい。世界中の人が読むべきだと思います。(10代/女性)

★THE ANSWER以来のファンです。またまた、脳ミソぶっ飛びました! ザッツ・エンタテイメントしているところが最高です!!(20代/男性)

★火の鳥があったら、私は飲むのかな、多分すごく悩むだろうな。生に限りがないことは、もしかしたら、とても苦しいことなのかもしれない。生に限りがあることは、実はある意味幸せなことなのかもしれない。こんな事考えた事はなかったけど、人が亡くなるということは、もしかしたら幸せなことなのかもしれない。そんな風に生きていることについて、考えるきっかけをくれた本でした。そして、ジョンさん、実在しないはずなのに、本当に存在するように姿が頭に浮かんできました。とても魅力的で、私も会って悩み相談をしてみたい、そんな風に感じました。(20代/女性)

― 著者プロフィール ―

鈴木剛介写真

鈴木剛介(すずき・ごうすけ)

1969年東京都生まれ。上智大学文学部哲学科卒。外資系広告代理店、築地魚河岸、特別養護老人ホームに勤務後、カナダの乗馬クラブで、半年間、馬糞掃除のボランティアに勤しむ。帰国後、『THE ANSWER』を自費出版。2004年、同書が角川書店より再販され、以降、作家に。

身長185センチ、体重74キロ(スーパーミドル級)。高校時代より現在に至るまで、柔道、少林寺拳法、ボクシングと、格闘技をたしなんで参りました。趣味は、ボクシング・トレーニングとアクアリウム(金魚鑑賞)。尊敬する人物は、身体を張って、子どもを無条件で笑わせることの出来る出川哲郎さん。好きな映画は、デレク・シアンフランス監督『ブルーバレンタイン』(2010/米)。好きなお笑いは「ロッチ」と「インパルス」。こよなく愛する煙草の銘柄は「アメリカン・スピリット」です。

著書:
-『THE ANSWER』(アドレナライズ)
-『自殺同盟軍』(アドレナライズ)
-『デブになってしまった男の話』(アドレナライズ)
-『人はなぜ生きるのか、答えよ!』(アドレナライズ)
-『真理男』(アドレナライズ)
-『涙の天使にさよならを』(アドレナライズ)
-『ハートメイカー』(青山ライフ出版)
-『火の鳥 0528』(アドレナライズ)

『決して開けていけない禁断の扉』